パーキンソン病及び
神経難病外来
「手がふるえる」「歩きにくい」「よく転ぶようになった」——。
ご自身やご家族にそのような症状が現れたとき、そして「パーキンソン病」や「神経難病」という言葉を聞いたとき、多くの不安や戸惑いを感じられたことと思います。
当院では、患者様がご自身の病気について正しく理解し、安心して日々の生活を送っていただけるよう、医師やスタッフがチームとなって全力でサポートいたします。ここでは、病気の基本的なことや、当院での取り組みについてわかりやすくご説明します。
パーキンソン病とは?
脳の中にある「ドーパミン」という物質が減ってしまうことで、体がスムーズに動かせなくなる病気です。ドーパミンは、体を動かすための「潤滑油」のような役割をしています。これが減ってしまうため、以下のような4つの代表的な症状が現れます。
- ふるえ(振戦): じっとしている時に、手や足、あごなどが細かくふるえます。
- 動きが鈍くなる(無動・寡動): 歩き出しの第一歩が出にくくなったり、服の着脱や寝返りなど、日常の動作に時間がかかるようになります。
- 筋肉のこわばり(筋強剛): 筋肉が固く緊張し、手足の関節をスムーズに曲げ伸ばししにくくなります。
- 転びやすくなる(姿勢反射障害): バランスをとるのが難しくなり、つまずいた時にパッと手が出ず、転倒しやすくなります。(※病気が少し進行してから現れやすい症状です)
パーキンソン病は、現在では非常に治療法が進歩している病気です。お薬で不足しているドーパミンを補うことで、多くの方が発症前と近い生活を長く続けることが可能になっています。
神経難病(しんけいなんびょう)とは?
脳や脊髄、末梢神経、筋肉などに異常が起こる病気のうち、原因が完全には解明されておらず、徐々に進行していく病気を総称して「神経難病」と呼びます。パーキンソン病のほかにも、「脊髄小脳変性症」や「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」などが含まれます。
「難病」という言葉の響きから、「治らない、どうしようもない」と絶望される方もいらっしゃいます。しかし、病気を完全に無くすことは難しくても、「症状を和らげる」「進行を遅らせる」「今の生活の質(QOL)を維持する」ための方法はたくさんあります。
当院での治療とサポート体制
当院では、患者様お一人おひとりの症状や生活環境に合わせた「オーダーメイドの治療」を行っています。
1. お薬による治療の調整
パーキンソン病をはじめとする神経難病では、お薬の量や飲むタイミングの調整が非常に重要です。「効き目が切れてきた」「副作用が出た気がする」など、どんな些細な変化でも医師にお伝えください。最適な状態を見つけるために、一緒に調整を行っていきます。
2. 進行を防ぐ「リハビリテーション」
お薬と同じくらい大切なのが、体を動かすことです。当院では、専門のスタッフが以下のサポートを行います。
- 理学療法(PT): 筋力を保ち、転びにくい歩き方やバランスのとり方を練習します。
- 作業療法(OT): 着替え、食事、入浴など、実際の生活に必要な動作の練習や、生活しやすい環境づくり(手すりの位置など)のアドバイスを行います。
- 言語聴覚療法(ST): 声が出しにくい、食べ物でむせやすいといった症状に対し、発声や飲み込み(嚥下)の訓練を行います。
3. ご家族を含めた生活サポート
病気と向き合うのは、患者様ご本人だけではありません。ご家族の介護負担や不安を減らすことも、私たちの重要な役割です。医療ソーシャルワーカーやケアマネージャーと連携し、介護保険サービスの利用や、医療費の助成制度(指定難病の医療費助成など)の手続きについてもご相談に乗ります。
